設計エピソード   

池波正太郎の我家自慢 「男の作法」 P152  池波邸

注文は一つ!すべて引き戸にすること」 この人なら注文通りシッカリした家を建ててくれるだろう!」

住宅雑誌を見て設計者を決めた! 自分の目に狂いは無い!

【男の作法】D生保の営業マンが本を買って届けてくれた。「これ、石井先生のことでないの!」

「家が完成したときに辰野事務所の若いお弟子さんがやっぱりびっくりしていたよ。こんないいものとは知らなかった。」  池波さんとのことを話したことを覚えておられ探し出してくれたようだ。

池波さんは椅子にアグラをかいて執筆するとのこと。この書斎で完成した作品はサイン入りで事務所へ送られてきました。必殺仕掛人、鬼平犯科帳 等

図面スケッチ:設計担当 清水勝年氏提供


大黒様が本当に笑った話        南青山スチールスタジオ

 日本一のスチールスタジオ設計!  1年間の売上が建築費相当?

南青山Iスタジオの基本設計がイメージ通りに出来上がった時の話。

Yリーダー「出来た!これで日本一のスチールスタジオになる!」

Yリーダー「今朝、大黒様がいつもより笑っていたんだ!」の第一声に会議のメンバー皆が顔を合わせ「エ!」するとYリーダー「本当なんだって!」

大黒様が会社の守り神なので毎日合掌しているとのことです。

当初の1年間・売上高=建築費相当分(ウン億円!)今まで経験のない事業に驚かされました。

グラビア表紙を飾るスタジオでこのスタジオで撮れることが一流カメラマンの証とか?

勿論モデルは日本・世界一流の方とのこと。


3年間同じ条件を提示した男・北島清一 虎ノ門八束ビル

      赤坂アークヒルズ計画時の等価交換条件   2階 ジャマイカ大使館

老舗のオーナー談:赤坂アークヒルズ開発計画時に森ビル担当者から再開発計画の協力の依頼があった。

 森ビルとしては近くに駅もなく交通の便の良くない場所だが、地域の売却要望を受け入れているうちに再開発が必要な規模となり、森ビルとしては実現しないことには死活問題でもあったようだ。

 森ビル担当者には何時もお断りの回答をしていたが、その担当者は条件を良くするでもなく、また下げるでも無く、その同じ条件を毎回3年間通してきた。そのため、この人は信用できると確信し条件を受け入れることにした。(提供敷地:自宅用敷地約700坪)

 後日森泰吉郎さんが日経「私の履歴書」に、実名をあげ「この方の協力が得られなければ再開発は不可能であった。」と記述されていた。また、完成時にテナントが決まっていなければ大変なことになっていたが、多くの外資系企業のテナントが決まり健全経営につながっていったようである。このことが森ビルとしての過去の評価から大きく社会貢献に繋がっていく原点ではなかろうかと思われる。

 その後、森ビル担当者は独立されたが等価交換に応じてくれたお客さんにその後、資産の目減りがあってはならない、森ビルに協力したことが良い結果に繋がっていかなければ森ビルの評価に影響すること、及び個人的な信用をもとに老舗オーナーの資産維持管理に協力することになった。

等価交換条件

1.赤坂の既存ビル(当時テナント:ユニシス)…毎月の家賃収入

2.オフィス用地3箇所(神谷町,虎ノ門,六本木)

3.自宅用地(神谷町)…自宅建設竣工後移転

その後、森ビル担当者の紹介によりオフィスビル3箇所を設計、既存オフィスの大規模改修等も合わせて設計監理に携わることになった。その担当者との情報交換等仕事関係は現在も継続中。


大型スーパーの設計 甲府・昭和ショッピングモール

 デパートの設計と比べたらどうってことないよ! 一年後の11月「えびす講」時のオープンが条件!

突然Nオーナーからの電話で「スーパーの設計を至急頼む!」との依頼に「スーパー設計の経験は初めてですが・・・」の問いに「デパートの設計に比べればどうってことないよ!」との回答であった。

 スーパーは一年後のえびす講(11月下旬)に間に合わせることが地元Oテナントの条件であった。

 Nオーナーは甲州商人(創業1697年・元禄10年)であったが設計料については配慮してくれ大変ありがたかった。今でも感謝!

基本設計から実施設計完了まで4ヶ月間、確認通知受領まで1.5ヶ月、工期6ヶ月の予定で、基本設計の打ち合わせはテナントのOスーパーの担当者スタッフ5名、当事務所側:建築意匠3名・構造1名・電気機械設備3名を同行し短期間にまとめ、予定通り設計完了から施工業者選定の見積もり合わせ、それから工事を予定通り半年間で竣工となり、テナント工事に間に合わせることに成功した。

建物竣工時Nオーナー「こんなでかい建物を造って、あとは知らんでは困る!」と釘を刺され、その後上手く運営されているか気になっていた。ところがバブルがはじけスーパーの稼働状況が悪くなっていた時でも地元ならではの営業展開に徹し成績を伸ばしていたのには驚きである。あるTV番組でその営業努力を放映しているところを見て「なるほど!」と感服したものです。

Nオーナーは休日、自家用機で大島へアクアラングへ出かけ、その帰り悪天候に遭遇し静岡側から富士山の西側で墜落事故に合った。

現在は当時学生であった御子息が社長となり、会長と共に老舗の運営に鋭意努力されている。


落合ウイークリーマンション企画設計

 部屋数(185室)の最大確保、容積率の最大活用、賃貸条件20年間の一棟貸し良好家賃条件設定

ウイークリーマンションが建築基準法上の用途として共同住宅かホテルなのか、その用途規制が始まる時の計画となり共同住宅としての確認申請となった。

設計条件

1.土地建物所有者が二社のため、将来2分割可能な設計とする。

 条件を充足するためにはエントランス、階段、エレベーター、機械室等の共用部が分割可能な設計とする必要があった。建物内部を見るとプロは気づくはずである。

2.賃貸面積もそれぞれの敷地面積に相当する持分とする。

 賃貸部分とは分離したオフィス、住宅スペースを含め条件を充足した。

3.当時賃貸契約期間の最大は20年間の規制があり、その後テナントや社会需要の変化に対応できるように大きな間取りが可能な設計計画とした。

法的条件

1.計画道路12m 将来とも実現不可能な計画道路があり、前面道路に面しているその箇所は2階建となった。

2.前面道路4mのため、有効活用するためには都・安全条例規制のもとに5階建が条件となった。

  7階建が可能であれば計画道路部分は駐車スペース、植栽による緑地とし周辺住環境に配慮が可能であった。現在は緩和されている。この例は当時、比較検討し業界紙に掲載した。

家賃設定

1.当時、家賃設定は賃貸面積【専有面積+共用面積】を含めた、かなり高額な家賃設定が可能であった。


蜀江坂ハイツ・新宿・・・・相続資産有効活用

 当方への相談は3番目でしたが、やっと思いが叶った!・・・オーナー

銀行系不動産会社からの有効活用設計依頼

第1案:Kスーパーゼネコン案

 5階建 延床面積2,500㎡ 共同住宅案 

第2案:N大手設計事務所案

 駐車場 90台 更地駐車 投資金額を抑える案 

第3案:石井敏明計画案

 7階建 延床面積5,000㎡ 共同住宅案 採用

 相続代表者の総て任せるとの強い信頼を得て関係官庁との協議を重ね、オーナーの要望を満足させる最大の有効活用案を作成し実現した!